開催の経緯

街角に響く心地よい演奏

1999年(平成11年)夏休み最後の土曜日の黄昏どき、都筑区の中央、地下鉄センター南駅前のすきっぷ広場は1,000人以上の人々で埋めつくされていました。平成11年4月に発足した都筑クラブが主催する「星空のコンサート」です。

すきっぷ広場ができて以来最高の入場者。人々は最後まで席を立つことなく、クラシックの名曲を楽しみ、広場は星空の下、穏やかで暖かい雰囲気に包まれたのです。
…都筑クラブの設立趣旨、「都筑のために何ができるか、未来に何が残せるか、まちづくり、文化づくり、そして人づくりに向けて志を一つにしたメンバーひとりひとりが輝き、まわりに生命を吹き込み、生々とした笑顔いっぱいのまちづくりを目指す」…この思いに沿った第1回目の自主企画イベントでした。

市民手づくりの本物を目指した地域発信の演奏会

都筑クラブは、実務組織と顧問そしてサポーターよりなっています。顧問は、古くから我々のボランティア活動を応援していただいた方々ですが、運営は全面的に実務組織に任せていただいております。
当初、クラブの活動を具体化するための検討の中で、ニューヨークでの体験から野外クラシックコンサートを夢見る都筑区在住のピアニストの思いを実現させようと、プロデュースし、支援することとなりました。支援を受けたピアニストは、コンサートの運営委員長となり、出演者と事務局スタッフのボランティアを募りました。有料が構造上無理な野外広場で、無料の「星空のコンサート~ドリーム・オブ・クラシック~」が、市民と企業の協力で実現したのです。都筑区の名物行事となることを祈って…。

地域の楽しい街づくりのためのアメーバー型応援集団

都筑区には文化活動を応援する企業や団体が、いわゆる港北ニュータウンを中心に多数あります。都筑クラブが発足した足どりをふり返ると、文化活動や市民交流を通してまちづくりを考えてきた「まちの教室~港北ニュータウンイベント倶楽部~都筑イベント倶楽部」の連鎖がありました。このまちで20年間続く永いボランティアの連鎖から生まれたり支援を受けた団体は、今では都筑区の新しい文化を創るリーダー的存在になっています。ボランティアですので、みんな資金面では苦労を重ね、模擬店で資金を集めたり、また心ある企業や個人の支援を受けて発展してきました。活発な自主的文化活動は、広報でも広く伝えられ新しいまちの躍動感を生む原動力となり、そして市民・行政・企業一体となったまちづくりにつながっていきます。新しいまちだからこそ、移り住んだ住民も、古くからいる人々も、進出してきた企業も、そして行政も、みんな良いまちになって欲しいという共通の思いがあり、そのパワーが都筑区全体を引っぱり、イキイキとしたまちになってきているのだと思います。

このように多くの心ある方々のバトンを受け継いだ都筑クラブは、これからも文化活動を含め広く市民活動の応援団として活動し、またこのまちの良きリーダーとなる人材育成を陰ながら支えていけるようになれればいいな!って考えています。

2018年から都筑クラブから独立して星空のコンサート運営委員会となりましたが、都筑クラブは、今後も協力体制で支えてゆきます。

(都筑クラブ事務局長 佐波 利昭)

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